FCバルセロナのジェラール・ピケは、コパ・アメリカの決勝戦の放送からバルーンワールドカップまで、ストリーマーのイバイ・ラノス氏との最新プロジェクトを手がけている。そして、この度ピケが率いるKosmos社は、スペインサッカーの体験型スペースを開拓するラ・リーガとポートアベントゥラの合併会社に10%出資し、参入することとなった。
このプロジェクトの第一段階として、TwentyNine’sブランドで運営される最初のレストランのオープン、サッカーの商品を扱う公式ショップ、バーチャル体験スペース「The Beat Challenge」などに1000万ユーロ(約12億8600万円)を投資する予定だという。
この合併会社の投資はこれだけに留まらない。このプロジェクトはラ・リーガのアトラクション建設も含めた長期的なものである。このアトラクションの費用は4000万ユーロ(約51億4400万円)に達し、パークの最新アトラクションの一つであるシャンバラの立ち上げに2500万ユーロ(約32億1500万円)を要すると予想される。
さらに1億ユーロ(約128億ユーロ)を投じて、フェラーリランドやカリブ・アクアティックパークと同じように、ラ・リーガ専用のテーマパークを作るというものもある。ただこれに関しては、それまでの評判に左右されるため、あらかじめスケジュールが決まっているわけではない。現時点では、デジタルエクスペリエンスとゲームにフォーカスすることがほのめかされている。
この事業の運営は「LaLiga Entertainment社」を通じて行われる予定。指揮をとるのは、セリエAでの経験を経て、同企業のジェネラル・マネージャーに就任したフアン・マリン氏。若い才能を惹きつける取り組みである「ラ・リーガ・グローバル・ネットワーク」のメンバーとして、2017年にラ・リーガに加入した。経済学の学位を持っており、ラ・リーガに入社する前は、国内外のさまざまな企業で財務コンサルタントや国際ビジネスの責任者として働いていた。
この提携の発表に際して、ポートアベンチュラ・ワールドのジェネラル・ビジネス・ディレクターであるダビド・ガルシア氏は、「このプロジェクトは、来場者と関わる新たな方法となり、若い観客の他のセグメントにもアプローチすることが可能になります」と述べている。また、「私たちは、ポートアベンチュラ・ワールドでの特典を提供することで、世界中の若者や家族連れの観客にクラブのブランドを浸透させる機会を提供します」と付け加えた。
体験型ビジネスラインに関して、エジプトではすでにTwentyNine’sとスポーツバーチェーンを展開している。また、コロナウイルス大流行でカタルーニャの観光客に影響が出たため、バルセロナの出店を中止していたが、現在は2022年にマドリードに2店舗を出店する予定。スポンサービジネスやライセンス供与などを含めた合計で、2021-2022年のラ・リーガの商業エリアの売上高は約1億5千万ユーロ(約192億9000万円)となり、5年前の3倍になるという。