キングス・リーグ

2022年11月に発表された7人制サッカー大会「キングス・リーグ(Kings League)」。元サッカー選手のセルヒオ・アグエロ、イケル・カシージャス、大人気ストリーマーのイバイ・ジャノスなどが主催しており、チェアマンは元バルセロナDFのジェラール・ピケとなっている。

開幕したのは2023年1月。毎週日曜日に20分ハーフで行われる。全試合はリーグの公式Twitchチャンネルや各チームのチャンネルで配信されているのだが、リーグによると同接数は約80万人に達したとのこと。いかに大きな盛り上がりを見せているかが分かる。

ではなぜこれほどまでに盛り上がっているのか。超有名人が主催しているだけではここまでにはならないだろう。

実は、先述の通りサッカーであることに違いはないのだが、キングス・リーグでは様々な目新しいルールが取り入れられている。今回はこの目新しいルールをまとめてみた。

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参加者

Ibai Llanos(スペイン)→PorcinosFC
Iker Casillas(スペイン)→1K
Sergio Aguero(アルゼンチン)→Kunisports
The Grefg(スペイン)→Saiyans FC
Spursito(アンドラ)→Rayo Barcelona
Juan Guarnizo(コロンビア)→Aniquiladores
DjMaRiiO(スペイン)→Ultimate Móstoles
Rivers(メキシコ)→PIO
Perxitaa(スペイン)→Los Troncos FC
Adri Contreras(スペイン)→El Barrio
Gerard Romero(スペイン)→Jijantes FC
Xbuyer & Minibuyer(スペイン)→Xbuyer Team

スカウトで現役プロや元プロが参加

まず、各チームにはドラフトで選ばれた10人が所属している。彼らには給料が支払われるなど本格的だ。中にはセルタ・デ・ビーゴの元選手やマジョルカの元選手などが含まれている。

次に11人目だが、ここでは現役プロや元プロを起用することができる。シーズンをドラフトの10人と共に戦うのだ。

そして最後の12人目は、アグエロやイバイ・ジャノスといったチームのトップが試合ごとに交渉して連れてくることができる。現役でも元プロでも誰でも問題ない。

何と1試合目には、元メキシコ代表チチャリートや2010年W杯優勝メンバーのジョアン・カプデビラなどが参加し、大会は大いに盛り上がった。

ゴールデンカード制度。「1分間得点が2倍になる」などの特典が

最も魅力的なルールは「ゴールデンカード制度」だろう。試合前に各チームのコーチが5枚から1枚引くのだが、中身は分からない。

カードの内容は、「即座にPKを獲得」「相手カードを奪う」「1分間得点が2倍」「相手選手を2分間退場させる」「ジョーカー」の5種類。ジョーカーは4つの内から好きな効果を発動させることができる。

それぞれのチームは試合中の好きなタイミングで1度使用することができ、試合を大きく左右することもある。

実際に試合では、カシージャスのチームがジョーカーカードでPKを選択したが、アグエロが「相手カードを奪う」を使用したため、アグエロのチームがPKを蹴ることになったそう。カシージャスのチームは点差を縮めるどころか広げることになってしまった。

イエローカード、レッドカードは一時的な退場

通常のサッカーでは、イエローカード2枚、レッドカード1枚が出された時点でその試合から追放されるが、キングス・リーグは違う。

イエローカードを1枚貰うと2分間の一時的な退場、レッドカードを1枚貰うと5分間の一時的な退場が宣告される。つまり、カードを貰っても同じ試合に復帰することができるのだ。

ちなみに選手交代は無制限であるため、常にフレッシュな試合を観戦することができる。

VARは自ら要求

近年のサッカーでは、オフサイドや危険なプレーがあった際に真偽を確かめるためにVARが使用されるが、全ては審判団の判断となっている。

しかし、キングス・リーグでは、チームがVARを要求することができる。野球のリクエスト制度と同じだが、回数は野球の2回と異なり、1回のみとなっている。

ただし、VARで結果を覆すことができれば残り使用可能回数は「1」のままだが、失敗した場合は二度と同じ試合で使うことができなくなる。

キックオフは中央での「格闘」

通常のサッカーでは、前半後半それぞれのチームのボールで試合が開始する。しかしキングス・リーグでは、水球方式のキックオフが用いられている。

具体的には、両チームのスタメンがそれぞれ自陣のゴールラインに並び、笛と共に中央に置かれたボールをめがけてダッシュするのだ。そこでは自分たちのボールにするべく、激しい戦いが繰り広げられる。

引き分けは無し。特殊なPKで決着が

キングス・リーグでは、必ず全試合で白黒をつける。ワールドカップの決勝トーナメントと同じだ。

40分で決着がつかなかった場合、PK戦が行われるのだが、通常のPKとは異なる。

その方法は、コートの中央にボールをセットし、キッカーはボールをドリブルで持ち運んで5秒以内にシュートを放つというもの。昔MLSで行われていたPKと同じ方式だ。

このように通常のサッカーでは取り入れられていない目新しいルールが多く採用されているキングス・リーグ。レベルも高いため、一度試合を見てみてはいかがだろうか。

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