今回は2022年限りでサッカー選手としての現役を引退された牧野寛太氏にインタビューをさせていただいた。
牧野氏は関西大学でキャプテンを務め、2020年からAC長野パルセイロでプレー。しかし、度重なる怪我により、プロ生活3年で幕を下ろす決断を下した。
現在25歳の牧野氏は、現在小学校のチームのコーチ等をしながら、セカンドキャリアを歩んでいる。
サッカーとしての経験を今後どのように活かしていきたいかなどをお話しいただいた。
━━━プロ選手としての生活はいかがでしたか?
サッカーでお金をいただけるのは自分として幸せでしたし、昔からの夢であったサッカー選手になれたことは嬉しかったです。率直に幸せな時間でした。
━━━サッカー選手はいつから目指されていたのですか?
サッカーを始めた6歳、7歳頃からですね。
━━━プロ入りが決まった瞬間はどのような気持ちでしたか?
周りにJ1クラブに加入した選手もいたため悔しさもあったのですが、契約書にサインして加入が正式に決まったときは家族もおめでとうと言ってくれたので、少しは恩返しできたかなと思います。
━━━プロとしてやりがいを感じたのはどのような瞬間でしたか?
やはり点を取ったり、チームが勝った時にファン・サポーターの方々が目の前で喜んでくれているのを見たり、自分のタオルやユニフォームを掲げてくれているのを見たりした時です。応援していただいていることを間近で感じられるのは、とても幸せな瞬間でした。
━━━やはりファン・サポーターの方々の声援は力になりますか?
そうですね、試合前のバス移動の時やSNSで応援していただく時も含めて力になります。一時期コロナで人がいない環境もあったので、スタジアムに来ていただくことができるようになるにつれて、パワーが大きくなったと感じました。
━━━現役引退を決断されたきっかけは何だったのでしょうか。
今まで怪我はあまりしてこなかったのですが、プロになってから3年間怪我が続き、キャンプは3回とも参加できないなど、自分のベストに持っていけないと感じ始めました。その時に「このまま続けてもあまり意味がないな」と考えていたのですが、同時にプレーも失速していくだけだったので、引退を決断しました。
━━━プロとして難しかった・苦労した部分はやはり怪我の多さだったのでしょうか。
そうですね。大学時代や育成年代の時は基本的に試合に出ていたのですが、プロになって怪我が増えた時にピッチに立てない悔しさや、そのために自分の身体をベストに持っていけないもどかしさなどは、プロとして難しい部分でした。
━━━これからのセカンドキャリアはどのように築き上げていきたいとお考えですか?
今は自分がかつて所属していた小学校のチームのコーチをしたり、知り合いの仕事を手伝いに行ったりして社会勉強をしています。
今後もスポーツに関わりたいと思っていますが、色々やってみたいという気持ちもあります。
━━━スポーツはやはりサッカー関係でしょうか?
プロになって皆サッカーしかしてこなかった人ばかりだと気づいたので、その人たちが現役の間にサポートできればと思います。サッカー以外でも自分の経験に基づいてアスリートを支えられたらと考えています。
━━━ご自身が現役の間に「これをしておけばよかった」と思うことはありますか?
正直、自分自身も正解が分かっていませんでした。ただ今思えば、自己分析はやっておけばよかったと思っています。サッカー選手は長くて10年、15年で終わるので、その時のために将来どのようになりたいか等を絞っていくための準備期間にできたのではないかと思います。
━━━今後サッカー選手としてのキャリアをどのように活かせるとお考えですか?
20年間やってきたことから一本に極める力や上下関係を含めた人間関係、辛い場面を乗り越える力などです。集中力や忍耐力などは自然と身についていると思います。
━━━本日はありがとうございました。
(取材・文:ALLSTARS CLUB編集部)
画像はご本人からの提供