ワールドカップ

カタールワールドカップのグループステージが終了し、いよいよ日本時間4日から決勝トーナメントに入る。

今大会は、グループステージから大波乱が多かった。サウジアラビアがアルゼンチンに勝利したのを皮切りに、日本がドイツを破り、モロッコがベルギーに勝つなど一筋縄ではいかないのがワールドカップだ。

一方で、フランスやブラジル、ポルトガルは第2節終了時点で順当に決勝トーナメントに進出しており、熱い戦いが見られることになるだろう。

今回注目するのは、グループステージで全勝突破したチーム。優勝チームは必ず1大会に1チームであるため、全勝したからといって優勝できるとも限らない。

それでは、1998年大会以降のワールドカップグループステージで全勝突破したチームの行方を振り返っていこう。

1998年フランス大会

フランス代表(優勝)

初めての自国開催となったフランスは、デンマーク、南アフリカ、サウジアラビアと同組に入り、危なげなくグループステージを突破した。最終的にフランス代表は、ワールドカップ初優勝を母国で成し遂げることとなった。

アルゼンチン代表(ベスト8)

バティストゥータ擁するアルゼンチン代表は、クロアチア、ジャマイカ、日本と同組に入った。アルゼンチンは、全勝&無失点で決勝トーナメントに進出したが、準々決勝でオランダに敗れ、優勝の夢は去った。

2002年日韓大会

スペイン代表(ベスト8)

ラウールなど銀河系軍団の一部を擁しながらワールドカップに挑んだスペイン代表。パラグアイ、南アフリカ、スロベニアと同組に入り、圧倒的な攻撃力でグループステージを突破した。ただ、決勝トーナメントでは、準々決勝で開催国である韓国相手にPKで敗れ、初優勝は持ち越しとなった。

ブラジル代表(優勝)

1994年以来の優勝を狙うブラジル代表は、トルコ、コスタリカ、中国と同組に入った。ブラジルのスターたちが揃うと共に、対戦相手もそれほど強豪ではなかったため、余裕でグループステージを突破した。決勝まで進んだブラジルは、横浜の地でドイツを破り、見事史上最多となる5度目の優勝を成し遂げた。

2006年ドイツ大会

ドイツ代表(3位)

久しぶりの自国開催となったドイツ代表は、エクアドル、ポーランド、コスタリカと同じ組に入ると、堅守でグループステージを突破した。決勝トーナメントでは準決勝まで進んだが、のちに優勝することになるイタリア相手に敗れ、自国優勝の夢は途絶えた。

ポルトガル代表(4位)

フィーゴやデコ、若きクリスティアーノ・ロナウドを擁するポルトガル代表は、メキシコ、アンゴラ、イランと同組に入った。クリスティアーノ・ロナウドが自身ワールドカップ初ゴールを決めるなど歴史が刻まれた大会だ。ポルトガル代表は準決勝まで進んだが、フランスに敗れ、4位に終わった。

ブラジル代表(ベスト8)

2連覇を狙うブラジル代表は、オーストラリア、クロアチア、日本と同じ組に入った。日本は玉田のゴールでブラジルを脅かすも、最終的には1-4で敗北。ブラジルは全勝で決勝トーナメントに進んだ。その後準々決勝まで進んだが、フランスに敗れ、史上2回目のワールドカップ2連覇とはならなかった。

スペイン代表(ベスト16)

徐々に黄金時代に入りつつあるスペイン代表は、ウクライナ、チュニジア、サウジアラビアと同じ組に入り、安定した戦いで決勝トーナメントに進んだ。しかし、決勝トーナメントでは、ラウンド16でまさかの敗戦。またもや優勝は持ち越しとなった。

※優勝したイタリア代表は、2勝1分でグループステージを突破。アメリカと引き分けた。

2010年南アフリカ大会

アルゼンチン代表(ベスト8)

メッシやアグエロ、イグアイン、ディマリアなど、後にアルゼンチン代表を支える存在となる選手たちが若手として出場した。韓国、ギリシャ、ナイジェリアと同じ組になったが、難なく突破。しかし準々決勝ではドイツ相手に大敗を喫し、3度目の優勝とはならなかった。

オランダ代表(準優勝)

全盛期に差し掛かりつつあるロッベンやスナイデル、ファンペルシーを擁するオランダは、日本、デンマーク、カメルーンと同組に入った。このグループステージで最もオランダを脅かしたのは日本ではないだろうか。最終的に決勝まで進んだが、スペインに敗れ、悲願の初優勝とはならなかった。

※優勝したスペイン代表は、2勝1敗で決勝トーナメントに進出。史上初めて、グループステージの初戦に敗れたチームの優勝となった。

2014年ブラジル大会

オランダ代表(3位)

初戦から前回王者スペインを大差で破り、初優勝へ向けて好スタートを切ったオランダ代表。その後はオーストラリア、チリに勝利し、決勝トーナメントに進出。準決勝まで進んだが、アルゼンチンにPKで敗れ、またもやトロフィーを逃した。

コロンビア代表(ベスト8)

ハメス・ロドリゲスを擁するコロンビア代表は、ギリシャ、コートジボワール、日本と同じ組に入った。日本代表サポーターからすると、この大会・グループは悪夢でしかないだろう。コロンビアは準々決勝で開催国ブラジルに敗れ、ベスト8止まりとなった。ダビド・ルイスがハメス・ロドリゲスを慰めている様子が印象的だった。

アルゼンチン代表(準優勝)

メッシをはじめとする主力たちが経験を積み、満を持して挑んだアルゼンチン代表。ナイジェリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、イランと同じグループで全勝突破に成功した。決勝トーナメントでは、完勝とまではいかないものの、決勝まで進出。しかし、延長戦でゲッツェに決められ、優勝トロフィーをドイツに譲る形となった。

ベルギー代表(ベスト8)

今の主力たちが若手として躍動したベルギー代表。アルジェリア、ロシア、韓国と同じ組で全勝突破を達成した。決勝トーナメントでは準々決勝まで進んだが、後に準優勝となるアルゼンチン相手に歯が立たず、0-1で敗れた。

※優勝したドイツ代表は、2勝1分でグループステージを突破。ガーナに引き分けた。

2018年ロシア大会

ウルグアイ代表(ベスト8)

スアレスやカバーニを擁するウルグアイ代表は、ロシア、サウジアラビア、エジプトと同組に入った。グループステージでは無失点で突破し、準々決勝まで進んだが、後に優勝するフランス代表に敗れて姿を消した。

クロアチア代表(準優勝)

モドリッチを中心に主力たちの全盛期が揃ったクロアチア代表は、アルゼンチン、ナイジェリア、アイスランドと同じ組に入り、その強さを見せつけた。決勝トーナメントでは決勝まで進んだが、最強のフランス代表を破ることはできなかった。

ベルギー代表(3位)

ベルギー代表の黄金期といっても過言ではないだろう。イングランド、チュニジア、パナマと同じ組に入ったベルギーは、圧倒的な攻撃力で突破した。ラウンド16では日本相手に劇的な勝利を収め、最終的に準決勝まで進んだが、惜しくもフランスを負かすことは出来なかった。

2022年カタール大会

対象クラブなし。