ジェラード

選手生命のほとんどをリバプールで過ごしたスティーブン・ジェラード。長年キャプテンとしてチームを牽引した、レジェンド中のレジェンドだ。

そんなジェラードだが、引退後は監督業に従事している。ロサンゼルス・ギャラクシーで引退したのち、リバプールのアカデミーコーチに就任。その半年後、U-18カテゴリーの監督になることが決定した。

その一年後、監督としてのキャリアをステップアップさせる機会が訪れる。スコットランドの強豪レンジャーズの監督に就任することになったのだ。

今回は、ジェラードの監督としての成績を振り返っていこう。


レンジャーズ監督時代


レンジャーズの監督としての初めての試合は、ヨーロッパリーグ予選1回戦のシュクピ戦(北マケドニア)だった。”ジェラードチーム”の初ゴールは、ジェイミー・マーフィー。左ウィングの選手が先制点を奪った。最終的にこの試合は2-0でレンジャーズが勝利し、ジェラードは初戦を白星で飾ることができた。

初年度となる18-19年はスコティッシュ・プレミアシップを2位、スコティッシュカップベスト8、リーグカップベスト4と初年度にしてはまずまずの成績を残した。

2シーズン目こそリーグ優勝を狙ったが、再びセルティックに首位の座を譲ることとなった。全チーム共通して言えることだが、コロナウイルスの影響でリーグが打ち切りになったため、消化不良なシーズンとなった。ただこの年はリーグカップ準優勝となっており、前年に比べて成績を上げることに成功した。また、ヨーロッパリーグもベスト16まで進出している。

三度目の正直と言おうか。ジェラードがレンジャーズの監督になって3シーズン目。ついに快挙を成し遂げることになる。なんとセルティックの10連覇を阻止し、10-11年以来のリーグ優勝を達成したのだ。成績も32勝6分と無敗で、圧倒的な数字だった。最大のライバルであるセルティックの連覇を阻止しただけあって、大いに盛り上がった。

優勝した翌シーズンもレンジャーズファンはジェラード率いるスカッドに大きく期待を寄せた。しかし、2021年秋にプレミアリーグのアストンビラの監督に就任することが決まり、シーズン途中でレンジャーズを去ることとなる。これには、レンジャーズサポーターも怒りを収めることができず、ジェラード監督を罵る声も見られた。


アストン・ビラ監督時代


2021年11月11日、ディ-ン・スミス監督の後任として5連敗を喫し降格圏に沈んでいたアストン・ビラの監督に就任。ビラは11節を終えた時点で3勝7敗1分の成績だった。

ジェラード就任後、最初の試合はブライトンとのホームゲームだった。ファンはジェラードのプレミアリーグ帰還を歓迎し、多くの注目を集めた。

試合は粘り強い守備を披露し前半を0−0で終えると84分にカウンターからワトキンスの強烈なシュートがゴール右隅に決まり先制。終了間際にもミングスのゴールで突き放したビラは6試合ぶりの勝利を手にした。

続くクリスタル・パレス戦も2−1で勝利しジェラードは就任後2連勝を飾った。続く3戦目はプレミアリーグ王者シティと対戦。前半に2点を先制されるも後半に1点を返し、反撃を見せたが1−2で敗戦となった。

ジェラード就任後タフなチームへと変化したビラ。ジェラードが選手時代に監督とキャプテンの関係だったブレンダン・ロジャース監督率いるレスターに勝利するなど下位に沈んでいたチームを見事に立て直した。

その後トッテナム、ウルブス、アーセナル、ウエストハムといった上位陣との4連戦で4連敗を喫するなどしたが、下位クラブとの試合で堅実に勝ち点を獲得し、就任時は16位だったチームを最終的には14位で残留に導いた。ジェラードの21−22シーズンのプレミアリーグでの成績は10勝12敗5分となった。

来シーズンは初めて開幕からプレミアリーグのクラブで指揮を執ることになるジェラード。シーズン中にはバルセロナからレンタル中だったコウチーニョを完全移籍で買い取り、シーズン終了後にはセビージャからはラ・リーガを代表するCBジエゴ・カルロスの獲得が発表された。

ジェラードにはビラでのさらなる活躍、さらには将来的なリバプールの監督就任が期待される。

KOPが夢見る、ジェラードが監督としてアンフィールドでリバプールを指揮する日もそう遠くはないかもしれない。

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