日本時間の月曜早朝5時にクラシコが行われるが、おそらく2000年代にベルナベウで行われる最後の戦いとなるだろう。今ベルナベウでは、この10年の技術革新によってもたらされたアップグレードを施した、業界でいうところの21世紀型スタジアムが誕生しようとしている。
レアル・マドリードが1年以内に「ヌエボ・ベルナベウ」のオープンを目指している一方で、FCバルセロナは来シーズンの新しいメインスポンサー、スポティファイと契約を結んでいる。
この契約はパンデミックにより5億8250万ユーロの損失を出したバルセロナをスポーツテインメント化(スポーツとエンターテインメントの融合)させて経済的に建て直し安定させるための重要なキーになる。
双方のサラリーキャップのおさらい
互いに様々な経営戦略を立てているが財政面ではマドリーが大きくリードしている。それを明らかにしているのはサラリーキャップだろう。マドリーは7億ユーロを超えるサラリーキャップを備えているが、バルセロナは前代未聞のマイナス1億4400万のサラリーキャップを背負っている。
「バルセロナがサラリーキャップを緩和する唯一の方法は、CVCか何らかの方法によるキャピタルゲインしかない。ましてやバルセロナは、他のチームと違って増資ができない」とラ・リーガのゼネラルマネージャーのハビエル・ゴメス氏はバルセロナにCVCを押している。
今シーズンのバルセロナの収支は、2021-2022年の予算と比べて1億ユーロ近く不足している。チャンピオンズリーグでグループリーグを突破できなかったことで、2100万ユーロから2500万ユーロの予算が消えてしまった上、5000万ユーロを推定していたバルサ・スタジオの売却額が49%にも満たなかったことで予算を大幅に削る羽目になったのだ。
一方、パリ・サンジェルマン(PSG)に逆転勝利し順風満帆なマドリードは、コンペティションでの目標を十分に達成して予算も何の問題もない。ベスト16に進出したことで、すでに追加収入も得ることができている。
双方のメインスポンサーおさらい
商業分野の見通しについても同様で、この2年間、スポーツ業界では軒並み広告投資が減少しているにもかかわらず、レアルでは成長の見通しがある。
アラブの航空会社エミレーツ航空は年間7000万ユーロを支払ってユニフォームの前面ロゴのスポンサー契約を結び、トレーニングウェアも提供している。更には別のスポンサーがユニフォーム袖の部分に社名を記載できないような契約もしているという。
このスポンサーシップ契約は今シーズン限りで終了するが、更新されるだろうといわれている。
一方バルセロナは先日スポティファイと2022年-2023年シーズンから数年契約を締結し、商業的な状況が進展している。
この提携は4シーズンで年間約6250万ユーロをもたらし、男女チームのユニフォーム前面にロゴ記載、トレーニングウェア提供、そしてカンプノウの命名権という三本柱の契約となっている。スポティファイは楽天とベコの後を継ぎ、ナイキと並ぶ唯一のメインスポンサーとなる。
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