DAZNは、放映権の獲得を受けて強気に値上げを実施しようとしている。同社は本日、スペイン内でも月額料金を9.99ユーロ(約1300円)から12.99ユーロ(約1670円)に30%値上げすることを会員に通知した。この値上げは、日本のサッカーファンは既にご存知の通り、日本を含めその他の国でも実施されている。
2Playbookによると、値上げした新しい価格はDAZNのサービスの現在の価値を表している。また、22-23シーズンのラ・リーガ開幕に向けて、新たな価格戦略を定めていることも確認されているそうだ。このことに関してDAZNは、新しい料金プランを明示していないが、会員オプションは一つに限らないようだ。
ラ・リーガに興味のないファンには、今までと同じ料金でサービスを楽しめるオプションが今後追加される予定。一方でラ・リーガを希望するファンは、後日お知らせする値上げされた料金プランに変更可能とのこと。つまり、今回の変更によって、前者のプランではラ・リーガを除くリーグに対応するものとなる。
DAZNの日本を含む他国での経営戦略
前述したようにDAZNは、他国でも同じような経営戦略をとっている。今のところラ・リーガの価格設定を保留にしているため、他の市場よりも値上げ率は低くなっている。しかしイタリアでは、セリエAとセリエBの放映権を獲得した後、価格が9.99ユーロ(約1290円)から29.99ユーロ(約3870円)と3倍にまで跳ね上がった。そこではDAZNは1日10試合を放送しているが、そのうち7試合を独占放送している。それによって年間8億4000万ユーロ(約1082億8400万円)の報酬を得ている。
日本では、月額料金が1925円から3000円に上昇している。「最初の5年間は日本市場への投資期間だったが、今後もこの市場での成長を続けたいと考えており、今年は値上げのタイミングでもある」 と、DAZNはメディアに説明している。スペインの場合も、サービス開始から4年目に突入した今年に月額料金値上げの戦略をとっている。
データ分析やコンサルを専門とするKantar社によると、DAZNはすでにこの市場で、Netflix、Disney+、Amazonに続く4番目のOTTとなっている。ドイツでは、ブンデスリーガの新放送サイクルの全体の35%にあたる106試合の放映権を獲得し、残りはスカイが獲得した。この契約の合計額は4シーズンで年間11億ユーロ(約1418億100万円)。また、ドイツでは、チャンピオンズリーグ、ラ・リーガ、リーグ1、セリエAの放映権の他、NBA、NFLなどのスポーツの放映権も保有している。