日本時間4月13日と14日、21-22年チャンピオンズリーグ準々決勝の2nd legが各地で行われた。勝ち上がったのは、ビジャレアル、レアル・マドリード、リバプール、マンチェスター・シティの4クラブだ。
バイエルン・ミュンヘンやチェルシー、ベンフィカ、アトレティコ・マドリードは、ファーストレグからの逆転を目指してセカンドレグに挑んだが、わずかに及ばず。
ただ、チャンピオンズリーグでは何が起こるか分からず、どのクラブも逆転する可能性は大いにあった。
今回は、過去のチャンピオンズリーグ決勝トーナメントでの大逆転劇を紹介していこう。
2004年デポルティーボ対ACミラン
2004年デポルティーボ・デ・ラ・コルーニャ対ACミランの決勝トーナメント1回戦。ディフェンディング王者であったミランはホームのファーストレグで4-1の勝利を収め、誰もがACミランが勝ち進むと思った。
しかしデポルティーボのホームでのセカンドレグでは、前半だけでアウェイゴールもあり2戦合計の逆転に成功。さらに後半に1点を追加し、大逆転勝利を収めた。
1st leg ACミラン 4 – 1 デポルティーボ
2nd leg デポルティーボ 4 – 0 ACミラン
2012年チェルシー対ナポリ
2012年チェルシー対ナポリの決勝トーナメント1回戦。ファーストレグはナポリの本拠地で行われたが、ナポリがラベッシの2ゴールとカバーニのゴールで3-1の勝利を収めた。しかし、圧倒的にナポリ有利かと思われたセカンドレグでチェルシーが大逆転を見せる。
前半28分にドログバがゴールを決めると、後半開始早々にはテリーがゴール。その後1点を返されるも、ランパードがPKを決め延長戦に。すると延長戦でドログバのクロスをイヴァノヴィッチが押し込み、見事2戦合計で逆転勝利を収めた。
1st leg ナポリ 3 – 1 チェルシー
2nd leg チェルシー 4 – 1 ナポリ
2013年ドルトムント対マラガ
2013年ドルトムント対マラガの準々決勝。マラガのホームで行われたファーストレグは0-0の引き分けに終わった。しかしドルトムントのホームで行われたセカンドレグでは大きく試合が動く。
先制したのはアウェイのマラガ。ホアキンがイスコとの連携でゴールを決めた。しかしドルトムントも前半のうちにレヴァンドフスキのゴールで同点に追いつく。
そのまま後半に入り試合は膠着状況だったが、後半35分マラガが勝ち越しゴールを決めた。アウェイゴールもあり、ドルトムントは絶体絶命になったがアディショナルタイムにロイスが同点ゴール。続けてフェリペ・サンタナがゴールを決め、試合終了間際の短時間で逆転勝利に成功した。
1st leg マラガ 0 – 0 ドルトムント
2nd leg ドルトムント 3 – 2 マラガ
2016年レアル対ヴォルフスブルク
2016年レアル・マドリード対ヴォルフスブルクの準々決勝。ファーストレグは前半のうちにホームのヴォルフスブルクが2点を奪い、試合終了まで逃げ切った。レアルは21本のシュートを放ったにもかかわらず、ゴールをこじ開けることができなかった。
しかしベルナベウで行われたセカンドレグでレアル・マドリードが本領を発揮する。前半の内にクリスティアーノ・ロナウドの2得点で同点に追いつくと、後半32分にクリスティアーノ・ロナウドがハットトリックを決め、見事な逆転勝利となった。レアル・マドリードはこの大会で優勝を果たしている。
1st leg ヴォルフスブルク 2 – 0 レアル・マドリード
2nd leg レアル・マドリード 3 – 0 ヴォルフスブルク
2017年バルセロナ対PSG
2017年バルセロナ対PSGの決勝トーナメント1回戦。PSGのホームで行われた試合では、PSGがディ・マリアの2得点などでバルセロナを4-0で下し、これ以上ない有利な形でセカンドレグに進んだ。
しかしカンプノウで波乱の出来事が起こる。スアレスやメッシ、ネイマールのゴール、そしてオウンゴールもあり4-1で後半43分を迎えたバルセロナ。
このままではPSGカバーニのアウェイゴールでPSGが勝ち進むところだったが、アディショナルタイムにネイマールのPKで同点に追いつくと、さらにセルジ・ロベルトが決勝ゴールを決め、史上稀に見る大逆転劇を披露した。
1st leg PSG 4 – 0 バルセロナ
2nd leg バルセロナ 6 – 1 PSG
2018年ローマ対バルセロナ
2018年ローマ対バルセロナの準々決勝。ファーストレグは、バルセロナがカンプノウでその力を見せつける。2つのオウンゴールという幸運もありながらピケとスアレスが決め、4-1でセカンドレグに乗り込むこととなった。
誰もがバルセロナ有利かと思った。しかし開始早々ジェコのゴールで先制したローマは、後半13分にPKを沈め、2戦合計で同点に追いつく。そして迎えた後半37分、DFマノラスがコーナーキックに頭で合わせ見事アウェイゴール差で逆転した。そのまま試合は終了し、ローマは34年ぶりのベスト4進出を決めた。
1st leg バルセロナ 4 – 1 ローマ
2nd leg ローマ 3 – 0 バルセロナ
2019年マンチェスターU対PSG
2019年マンチェスター・ユナイテッド対PSGの決勝トーナメント1回戦。マンチェスターUのホームで行われたファーストレグでは、キンペンベとムバッペのゴールで完封勝利をあげたPSG。
しかし、ホームでの準々決勝進出の確率をかなり上げたPSGだったが、前半の内に2点を奪われる展開に。PSGも1点をとっていたため、このままいけばPSGが駒を進めるところだったが、後半アディショナルタイムにマンチェスターUがVARの末にPKを獲得。ラッシュフォードが落ち着いて決め、逆転劇を見せた。
1st leg マンチェスターU 0 – 2 PSG
2nd leg PSG 1 – 3 マンチェスターU
2019年ユベントス対アトレティコ
2019年ユベントス対アトレティコ・マドリードの決勝トーナメント1回戦。ファーストレグでは、ホームのアトレティコ・マドリードがヒメネスとゴディンのCBコンビのゴールで2-0で勝利。
かなり不利な状況になったユベントスだったが、セカンドレグでは後半4分の時点でクリスティアーノ・ロナウドが2点を決め同点に追いつく。すると同41分にロナウドがPKを流し込み、見事な逆転を見せた。
1st leg アトレティコ 2 – 0 ユベントス
2nd leg ユベントス 3 – 0 アトレティコ
2019年トッテナム対アヤックス
2019年トッテナム対アヤックスの準決勝。トッテナムのホームで行われたファーストレグでは、アヤックスが前半15分のファン・デ・ベークのゴールを守り切り、アウェイで完封勝利を収めた。
しかしアヤックスはホームでのセカンドレグで苦汁をなめることになる。前半にデ・リフトとツィエクのゴールで2戦合計3-0となったが、後半開始後に立て続けにルーカス・モウラが2得点を奪いトッテナムが同点に追いつく。最後は、後半アディショナルタイムにルーカス・モウラがハットトリックを決め、見事決勝への進出を果たした。
1st leg トッテナム 0 – 1 アヤックス
2nd leg アヤックス 2 – 3 トッテナム
2019年リバプール対バルセロナ
2019年リバプール対バルセロナの準決勝。カンプノウでのファーストレグでは、スアレスの先制点を皮切りに後半にはメッシが2得点を決め、決勝進出をほぼ手中にしたかと思われた。
しかし、1年前のローマ戦の悪夢が再び襲いかかる。アンフィールドで行われたセカンドレグでは、開始早々にリバプールのオリジが先制点を決めると、後半開始11分以内に2点が決まり、すぐさま同点に追いつかれた。
そして決勝点は、話題になったコーナーキックからのプレーだった。アーノルドがバルセロナDF陣の隙をついてクロスを入れると、チームメイトのオリギのみが反応し流し込んだ。この年、リバプールがトッテナムとのプレミアリーグ対決を制し、見事優勝を果たした。
1st leg バルセロナ 3 – 0 リバプール
2nd leg リバプール 4 – 0 バルセロナ
おすすめ記事:チャンピオンズリーグのハットトリックにまつわる記録