チェルシーが欧州チャンピオンズリーグ優勝に向けた大型補強にかかった費用は、大きな代償を払うことになった。優勝という結果とは裏腹に、チェルシーの財政は、経常利益で補填できる以上の支出により、1億8200万ユーロ(約237億5600万円)の損失が出てしまった。クラブの決算書によると、経常利益は7%増の5億1700万ユーロ(約674億8200万円)だったが、給与や減価償却費の支出増に直面したため不十分だったという。
2019-2020シーズン、エデン・アザールのレアル・マドリードへの売却で1億6950万ユーロ(約221億2400万円)の収入を得てから、昨年夏の移籍市場で勝負に出た。カイ・ハフェルツ、ティモ・ヴェルナー、ベン・チルウェル、ハキム・ツィエク、エドゥアール・メンディなどの獲得に2億6240万ユーロ(約342億5000万円)を費やしたのだ。その結果、移籍による減価償却費は1億9480万ユーロ(約254億2700万円)となり、前シーズンに比べて27%増加した。これに加え、トップチームへの給与を中心とした支出が、前年同期比17%増の3億9560万ユーロ(約516億3600万円)となり、さらに、チャンピオンズリーグ優勝によるボーナス支払いも発生している。
一方の収入面では、CLでの優勝により、テレビ収入(UEFAからの支払いを含む)は19%増の3億2510万ユーロ(約424億3400万円)となり、試合の興行収入は86%減の900万ユーロ(約11億7500万円)、商業分野の売上は10%減の1億8250万ユーロ(約238億2100万円)となった。クラブは「コロナウイルスによる経常収入への影響がなければ、今年、おそらくクラブ史上初の5億9410万ユーロ(約775億4600万円)の売上高を達成していただろう」と声明で述べている。