健全経営のクラブが多いブンデスリーガ。十分に観客を動員し、利益を十分に生み出しその範囲内で選手を獲得する。そして成長した選手を獲得した当初より高値で売り、キャピタルゲインを得る事が多い。

今日では、ブンデスを除く欧州4大リーグでは国外の企業や投資ファンドによる買収が目立つが、ブンデスリーガはそれを防ぐことに成功している。というのもブンデスリーガには「50+1ルール」というものがあり、クラブ所有から20年目にならないと株式を50%以上保有できない。このルールがドイツサッカーをマネーゲームにしないための抑止力になっている。

話は変わるが、今回の記事ではそんなブンデスリーガの名門クラブが現在どのようなメインスポンサー契約を結んでいるのか見ていく。

ヴォルフスブルク-フォルクスワーゲン

実はクラブとヴォルフスブルクは同じステークホルダーを抱えている。ヴォルフスブルクのオーナーはフォルクスワーゲンの子会社AG of GmbHで株式を100%保有している。ユニフォームの胸にも大きくロゴが入っているが、それだけではなく、スタジアムのネーミングライツも付与しており、ホームスタジアムは「フォルクワーゲン・アリーナ」と呼ばれる。

この根強い関係でフォルクスワーゲンはクラブに毎年推定1億ユーロの投資を行っているという。

バイエルン・ミュンヘン-テレコム

ブンデスの覇者バイエルン・ミュンヘンは、「・T・・・」でお馴染みのドイツの通信会社テレコムと20年以上にわたる長年の関係を築いてきている。21-22のシーズンに契約を延長した。詳しくはこちら。

ドルトムント-1&1、エボニック

ドルトムントは少し特殊な形でメインスポンサー契約を結んでいる。ブンデスリーガではドイツの通信事業者「1&1」のロゴが胸に刻まれているが、舞台がDFBポカールやチャンピオンズリーグになると「エボリック」が胸スポンサーとして見られることとなる。元々はエボリックだけがメインスポンサーだったが、この方法でメインスポンサーとして得られる収益が二倍の4000万ユーロとなった。

RBライプツィヒ-レッドブル

ライプツィヒのRBは正式には”Rasen Ballsport”を意味する。ただ”実質”のオーナーがレッドブルでありスポンサーもレッドブルということから世間的にはRB=レッドブルという認識になっているだろう。クラブのなり上がりについてはまずこちら。

先ほど”実質”と述べたのは、レッドブルは一応建前上でスポンサーという形になっているからだ。そんなレッドブルはスポンサーとして3500万ユーロをクラブにスポンサー料を払っているが、実際はもっと払っているのではないかという声が断たない。

シュツットガルト – メルセデス・ベンツ・バンク

メルセデス・ベンツ・グループの企業は遠藤航が活躍するシュツットガルトのメインスポンサーとしてクラブに年間1000万ユーロを提供しているようだが、メルセデス・ベンツは現行の契約で終了を考えているとの噂もある。

ボルシア・メンヒェングラードバッハ – フラテックス

板倉滉が所属するドイツの名門ボルシアMGもドイツでは比較的規模の大きいメインスポンサー契約を結んでいる。ドイツの投資信託企業のフラテックスは21-22シーズンで契約が終了する予定だったが、更新したことで26-27シーズンまでスポンサーを務めることとなった。