ラ・リーガ

先日、英国コンサルティング会社「デロイト」が「Annual Review of Football Finance 2022」を発表した。この記事ではいくつかの情報を切り取って紹介したいと思う。

20-21年、欧州5大リーグは156億ユーロの収入を生み出し、19-20年と比べて3%増加した。それでもコロナウイルス流行前の18-19年に記録した170億ユーロよりは下回っている。

しかし、この結果は正当といえば正当だ。というのも、まだコロナウイルスの影響を大きく受けているシーズンであり、無観客試合や収容人数制限など多くの規制があった。従って、マッチデーから得られる収入がほとんどなかったのだ。

グラフを見ての通り、全リーグにおいてほとんど0に近い。最も多かったのはリーガ・エスパニョーラの5500万ユーロで、最少だったリーグアンはわずか800万ユーロだった。

そんな中で最も収入に貢献したのは放映事情。スタジアムへ訪れることができなくなる以前に、外出自体の制限があったため、必然的にテレビを楽しむ人が増えたのだろう。

最も多いのはプレミアリーグで37億7100万ユーロ。2番目に多いリーガ・エスパニョーラ(19億9700万ユーロ)の約1.9倍、最も少ないリーグアン(8億3600万ユーロ)の約4.5倍となっている。

21-22年、22-23年の見込み

同レポートには、21-22年と22-23年の見込みも記載されている。先述の通り、欧州5大リーグは20-21年に156億ユーロの収入を生み出したが、21-22年と22-23年はそれぞれ174億ユーロと186億ユーロと予想されている。

リーグ別で見ると、プレミアリーグとブンデスリーガは右肩上がりであるが、リーガ・エスパニョーラとリーグアンは20-21年よりは多いもののその後の予想は平行線となっている。そして唯一20-21年より少ない数字となっているのがセリエAだ。

ブンデスリーガは、欧州5大リーグの中で初めてパンデミック後に新たな放映権売却を求めて市場に出たリーグ。一方でセリエAも放映権売却を試みたが、MENA(中東・北アフリカ地域)における海賊放送の問題もあり、beIN Sportsとの契約を解除。21-22年〜23-24年はAbu Dhabi Mediaに売却しているものの、beIN Sportsとの契約より安くなっているという。

ここまで簡潔に欧州5大リーグの経済事情を紹介してきた。8月から新シーズンがスタートし、頻繁にチームや個人の結果をチェックしている方も多いだろう。しかしこのようにサッカーの裏事情を追ってみるのも一つの楽しみ方かもしれない。