レアル・マドリード

リーグ戦などの成績とクラブ組織の安定性は、スペインサッカー界に大きな影響を与えた。Interbrand社が発表した最新のレポート「Best Global Brands 2021」によると、2021年スペインで最も価値のあるブランドランキングにおいて、レアル・マドリードとFCバルセロナが再びスポーツ分野で唯一の2ブランドとしてランクインしている。しかし、両クラブの傾向は逆転しており、2019年から2021年にかけてレアルマドリードが12%価値を高めたのに対し、バルセロナは28%急落した。

「スポンサーシップは、レアルマドリードやバルセロナのように、収入の高い割合を占めるケースもあり、非常に重要な収入源である」と、同レポートのテクニカルディレクター、ボスコ・トーレス氏は説明する。

レアル・マドリードは6億200万ユーロ(約770億円)だが、スペインで最も価値のあるブランドとして15位にとどまっている。しかし、バルセロナはトップ20から外れており、ブランド価値は2019年から2021年にかけて、4000万ユーロ減の4億9900万ユーロ(約638億3000万円)となっている。


レアル・マドリード

モドリッチ レアル・マドリード

レアル・マドリードは、コロナウイルスの影響を強く受けた2年間を黒字で終えているが、ヨーロッパ内で黒字を達成したのはほんの一握り。同コンサルティング会社は、フロレンティーノ・ペレス会長による経営の安定性、決算、サンティアゴ・ベルナベウの改修とさらなるビジネス創出力がブランド価値向上の鍵になると指摘している。

「レアル・マドリードでは、テクノロジーを駆使してファンとの関係を再構築したいと考えています。スタジアムのイノベーションに加え、クラブはアドビと提携してグローバルコミュニティを統合し、メタバースへの進出となるデジタル体験を提供します」と続けた。


バルセロナ

バルセロナ

一方のバルセロナは対照的だ。「メッシを失ったことによる影響は多岐に渡る」と報告書で指摘されている。また、「ユニフォームの売り上げの減少、SNS上の動きの喪失、過去20年間のUEFA主催大会における成績の悪化……。これらすべてがクラブの財政に影響し、サッカーチームもその軸を失ってしまったのです」と付け加えられている。

現在進行中のビッグプロジェクト「エスパイ・バルサ」は、今後数年のうちにクラブを再生させるものになると見られているが、短期的には疑問の方が多い。「バルセロナのブランドは強力で、勝てば全世界が注目しファンを魅了する。そしてそれが新しいスポンサーの可能性につながるという好循環があるが、現在のバルセロナはUEFA主催大会で結果を残せていないため、交渉に影響が出ている」とレポートに綴られている。

 

世界のベストブランド2021

ナイキ

これまでスペイン国内のデータを見てきたが、世界的にはどうなのだろうか。先ほどの「Best Global Brands 2021」によると、1位アップル、2位アマゾン、3位マイクロソフト、4位グーグル、5位サムスンとなっている。やはりIT系企業が強いことが読み取れる。ただ、6位からはコカコーラ、トヨタ、ベンツ、マクドナルド、ディズニーとIT以外の企業が続く。

スポーツ面で見てみると、トップ100に入っているのは11位のナイキと49位のアディダスとなっている。

日本の企業


それではトップ100にランクインしている日本の企業を紹介していこう。一番ランクが高いのは先ほども出た通りトヨタで全体の7位。続いてホンダ(全体25位)、ソニー(同41位)、日産(同59位)、任天堂(同70位)、キャノン(同79位)、パナソニック(同88位)となっている。

世界的にみるとIT企業が強いが、日本ではまだまだ自動車産業が栄えているということがわかる。