サッカーをプレーしていた方ならプロの選手がどんな視点でプレーをしているのか気になっていた方は多いのではないだろうか。子どもの頃に憧れの選手を客観的にはイメージしていたがそれは選手自身が見ている映像ではない。しかし近年ではそれが可能になりつつある。

胸カメラというのはご存じだろうか。クラシコの試合前にアラバとレヴァンドフスキがアツい抱擁を交わしていたが、アラバ視点でそのときの映像が見られる。

その他にもFCケルンとACミランのプレシーズンマッチでは複数のFCケルンの選手の胸にカメラが設置されていた。

Mindfly社の「bodycam」

まず一番懸念されるであろう着心地だが、CEOのEran Tal氏は「軽量AIベストは、選手のパフォーマンスを維持するために設計されており、パフォーマンストラッキングウェア(GPS付きのベスト)を着用するのと同じ感覚だ」と語る。

このbodycamでは選手の目線をとらえ、レコーディングが終わればAIが自動的に編集。ビデオクリップはパッケージ化され、公開されたのち、ソーシャルチャンネルに配信される。ファンは選手の視点を視聴できたり、あるいはNFTクリップとして購入することができる。

Mindfly社は今年の五月には欧州のプロバスケットボール最高峰リーグであるユーロリーグと契約を締結し、来季の試合中にはAI搭載ボディカムが装着されることになっている。この映像を使って、マインドフライのクラウドベースの人工知能(AI)システムは、ユーロリーグのソーシャルチャンネル向けに一人称視点(FPV)のハイライトを作成する。

その他Mindflyは現在、欧州や米国の主要クラブやトップサッカーリーグ、複数の大手放送局との契約締結に向けて交渉を進めている。