モンジュイック

バルセロナ(自治体)は、モンジュイック・オリンピックスタジアムに設置されるスポーツ系のスタートアップ・”インキュベーター”の改修工事を198万ユーロで落札した。そして「Constructora de Calaf」社が、最高評価を獲得した企業として、スタジアムで使われなくなったオフィスを改修し適用させるプロジェクトを担当することになった。

インキュベーターとは

本来なら孵化器という言葉だが、ビジネスにおいてインキュベーターとは起業をサポートする事業者のことをいう。

この改修されるスペースの目的はインキュベーターとしての企業の活性化、ベンチャー企業の支援プログラム、加えて周辺施設のスポーツ活動のプロモーターだ。

 

この周辺施設には、建築家である磯崎新が設計したアリーナ「パラウ・サン・ジョルディ」、カタルーニャ国立体育研究所(Inefc)、ピコルネル・スイミングプール、オリンピック博物館などが含まれている。

 

新しいインキュベーターは2023年第1四半期末に完成する予定だ。具体的には、建築面積は1,100平方メートルで、プレインキュベーション(セミナーや相談会等)エリアと最大12個の相互接続可能なワークスペースを備えており、これには最大280万ドルの投資が承認されている。

 

またプロジェクトでは、オフィスの前に400平方メートルの屋外スペースを設置し、この拠点で働くさまざまな企業や起業家間の相乗効果を促進することも想定している。このスペースを利用して、屋外でミーティングや共創活動を行うことができるというものだ。

 

実は1992年のバルセロナオリンピック以来、スポーツ産業に関連するビジネスネットワークが構築され、30年後の現在もカタルーニャ州を拠点に活動している。 INEのデータによると、スペインではカタルーニャが最も多くのスポーツ企業が活動している自治体で、2021年末時点で5,508社が存在している。

 

そして2023年からはFCバルセロナが大規模スタジアム改修プログラム「エスパイ・バルサ」で一時的にモンジュイック・スタジアムでプレーすることになるため、このインキュベーターがより有用なものになるに違いない。