FCバルセロナはこのほど、2020年初頭にモンセラット・フォント氏が辞任して以来、空席となっていたファイナンシャル・ディレクターにマネル・デル・リオ氏を起用した。
同氏は、オランダの多国籍企業であるロイヤル・ターレンス出身で、2018年からはスペインにおける同社の財務ディレクターとして勤務していた。また、Pensions& Investment Research Consultants (PIRC)で国際的な経験も積んでいる。
ノッティンガム大学(英国)で国際ビジネスの学位を、Esade(スペイン)で修士号を、北京大学(中国)で学士号を取得したフォント氏は、クラブにとって複雑な時期にカンプノウに降り立つこととなった。
最も重大な課題は、クラブが今シーズンの予算で想定している2億ユーロの赤字額である。
ただこの額は、今年、Sixth Streetへのテレビ放映権15%の追加売却による3億9890万ユーロと、Socios.comとJaume Rouresが折半出資しているオーディオビジュアル子会社の49%の譲渡による1億9698万ユーロでカバーすることができる予定。しかしこれはあくまでも一時的な一手にすぎない。
市場関係者は「23-24年に、同額の収支を調整することは非常に難しく、唯一もっともらしいルートは、BLMのさらなる一部売却を発動させることだろう」と語っている。これは、すでに来シーズンに向けて描かれているシナリオであり、デル・リオ氏が取り組む内容である。
バルセロナが抱えている問題はファイナンシャル・ディレクターを雇うだけで解決できるようなものではないが、いち早く正常な経営に戻し、かつての黄金期のような輝きを取り戻したい。