カタルーニャ州の新聞『La Vanguardia』紙によると、ラポルタ会長率いるバルセロナの取締役会は、投資会社のSixth Streetに今後25年間テレビ放映権の10%を売却するという合意に至ったという。この売却により、クラブは2億750万ユーロを受け取る。これにより、バルセロナの21-22年は黒字になるという。
6月30日の決算を前にして1億6100万ユーロの赤字だった21-22年シーズンの収支を均衡させるためには、この権利売却が不可欠だった。このような状況になった理由は、『バルサ・スタジオの売却』『2500万ユーロのスポンサーシップの獲得』といった目標を達成できなかったことに加え、チャンピオンズリーグのグループステージ敗退による放映収入や興行収入の減少がある。さらに、選手へ支払う賃金も思うように削減できない。
バルセロナ経済担当副社長のエドゥアルド・ロメウは、売却を承認した議会で、Sixth Streetはラ・リーガがバルセロナに支払う放映収入の金額の10%を受け取ることになり、その額は年間1600万から1700万ユーロとなると説明した。この予想が実現すれば、12年で投資を回収できることになる。
Sixth Streetがこのファンドを選んだのは偶然ではなく、レアル・マドリードでスペインサッカー界初の大型投資を終えた実績があるのだ。レアル・マドリードは、今後20年間サンティアゴ・ベルナベウの商業事業を運営する新会社の株式の30%と引き換えに、3億6000万ユーロを確保した。
最後に、El Confidencial紙によると、ここ数週間で交渉が行われた他の手段としては、ゴールドマン・サックス社が、放映権(期間不明)の30%を9億ユーロで買収するというものである。同時に、投資会社であるオール・スポーツ・ファイナンス(ASF)との間で、資本金4億ユーロと銀行融資2億ユーロの話があったことも、前述のメディアが分析した資料から判明している。その代わり、ASFはクラブの将来の収入、つまり工事完了後のエスパイ・バルサの運営に関わる収入の一定割合を確保することになる。
近年圧迫しているバルセロナの経営状況。メッシの放出も余儀なくされたこのような現実は、実はネイマールのPSGへの売却がきっかけとなっている。詳しくは以下のバルセロナの経営事情をまとめた記事をご覧いただきたい。