「EL PAÍS」やバルセロナの「2Playbook」によると、現在のFCバルセロナの理事会は、ジョセップ・マリア・バルトメウの理事会を不当な運営であるとして訴えることを検討しているという。
ラポルタ理事会は、リオネル・メッシとセルヒオ・ブスケツを中心とするバルセロナのキャプテンたちがチーム全体の給与削減を交渉する中、フレンキー・デヨング、テア・シュテーゲン、ジェラール・ピケ、クレマン・ラングレの4選手に合計3億1100万ユーロの昇給と最大3年の契約延長を約束した前理事会に対し、新たに訴訟を起こすことを考えているというのだ。
バルトメウは、収入減を考慮し、賃金負担を減らすために、この4選手との間で20-21シーズンの給与減額に合意した。しかし、先ほどの約束により、選手たちは翌シーズンから昇給で契約が更新されることになった。複数のメディアによると、クラブの法務部門はこの行為が犯罪チックであると見ており、訴訟を起こす可能性を検討しているとのこと。
これらのオペレーションにより、バルサは直接的に約1800万ユーロを節約することができた。バルトメウ率いる理事会は、クラブの法務部門、コンプライアンス、ラ・リーガ、監査法人のEYがこれらのオペレーションを検証したと主張している。
ジェラール・ピケは、4人の選手の中で唯一、契約更新で合意した金額を諦めた。現在は、バルセロナの賃金負担を減らすために、より低い契約を結んでいる。この4人の更新は、バルトメウが会長を辞任する1週間前、パンデミックによる損失を理由にクラブの全従業員の賃金カットの交渉が行われる前日に行われたものだった。
ジョアン・ラポルタ理事会は、すでに前理事会をバルセロナ検察庁に不正な管理の違反の可能性で糾弾している。選手の移籍を含めると1億ユーロを超えるオペレーションについて、クロール社に委託したフォレンジック調査(※)の結果、「不正な管理に関する注意事項」を認識していたことが判明したのだ。
(※)コンピューターなどの電子機器に残る記録の証拠保全や調査、分析を行う手段や技術の総称(TEITANより引用)
バルセロナ検察庁に提出された訴状には、ジョゼップ・マリア・バルトメウの経営陣がもたらしたと推定される損害の具体的な数値は含まれていない。しかし、分析担当者は「数千万ユーロ」と口にしていた。
バルセロナは、22-23年シーズンの賃金負担が増えてしまったが、クラブは、放映権といった資産売却によって得られる特別収入を充てることになる。このため、クラブはトップチームの給与と選手の償却費に約6億2000万ユーロを充てることになり、前シーズンの支出を32%上回った。クラブは21-22年シーズンを9800万ユーロの利益で締めくくっている。