リーグ戦でも本調子ではない前年王者アトレティコ・マドリードが、レアル・ソシエダを前に国王杯ベスト16で姿を消すことになった。今シーズンのシメオネ政権に何が起こっているのだろうか。
試合は、前半33分に右サイドからのクロスをヤヌザイが頭で合わせ、ソシエダが先制。そのまま前半が終了し、後半で逆転を目指したアトレティコだったが、開始早々DFフェリペのミスからボールを奪われると2点目を決められ、出鼻を挫かれる形となった。
その後もクーニャ、スアレス、レマルを一気に投入するなど打開を図るが、ゴールを奪えず。結局無得点のままホイッスルが鳴り、0-2で国王杯から姿を消した。
先日は、ラ・リーガ王者として出場したスーペルコパ・デ・エスパーニャで、国王杯準優勝枠で出場したアスレティック・ビルバオ相手に準決勝で敗退している。1-2での逆転負けだったが、唯一の得点も相手GKの背中に当たって入るという「運」でのゴールだった。
アトレティコ不調の原因
両大会での敗退およびラ・リーガでの不調の原因は、長年アトレティコの真骨頂だった守備のほころびだろう。リーグ戦に関していえば、優勝した昨シーズンは、1シーズンを通して25失点(リーグ最少)だったが、今シーズンは20試合の時点で24失点(リーグ10位タイ)を喫している。
さらに5年遡ると、19-20シーズンは27失点(3位)、18-19シーズンは29失点(2位、リーグ最少)、17-18シーズンは22失点(2位、リーグ最少)、16-17シーズンは27失点(3位、リーグ最少)、そして15-16シーズンに至っては18失点(3位、リーグ最少)である。今シーズンの失点数と比べると圧倒的に少ないことがわかる。
このように原因が守備にあることは一目瞭然だ。今後どのようにしてアトレティコを復活させていくのか、シメオネの手腕に注目しよう。
次の試合は日本時間1月23日の9位バレンシア戦。
国王杯敗退後のシメオネ監督のコメント
※一部カット
「選手が自信を持って、冷静さを保つように手助けすることが私が唯一できることです。試合はタフでした。ソシエダが幸先の良いスタートを切りました。我々もカラスコのチャンスもありましたが、ものにすることができませんでした。0-1での後半開始直後にDFのミスで2点目を取られたことで、勢いを失ってしまいました。」
「私は選手たちを信じているし、状況を改善させる方法を見つけていきます。」
「サッカーは一貫性が大事で、ミスを少なくすればするほど勝利に近づく。長年にわたって批判されてきた我々の守備スタイルを取り戻すことができればと思っていますし、最近では明らかに重要度が増しています。以前のような守備の安定性を取り戻すことができれば、状況はガラッと変わるでしょう。」
「サッカーの難しいところは、毎年同じように進むわけではないということ。5カ月前まではラ・リーガ優勝の影響もあり堂々としていました。それでもいざ蓋を開けてみると今シーズンはここまで非常に難しい状況です。ただこの先も、リーグ戦とチャンピオンズリーグがあるので、チャンスはある。前に進むしかないです。」