まさかアトレティコ・マドリードが最下位レバンテ相手に得点を奪えずに負けるとは。
21-22年ラ・リーガ第24節アトレティコ・マドリード対レバンテの試合が、ワンダ・メトロポリターノで行われた。アトレティコとしては、絶対に落とせない試合だったが、前半は両者譲らずスコアレスドローで折り返す。
すると後半開始早々の8分、FWデ・フルトが中央から外に開くスルーパスを出すと、MFメレロがニアにぶち込んだ。前半、アトレティコDFのミスで絶好の得点チャンスを得るも決められなかったレバンテにとって待望の先制点となった。
アトレティコはそのまま得点を決めることができず、後半アディショナルタイムに突入。すると同5分、右サイドからのロングスローのこぼれ球をアンヘル・コレアがオーバーヘッドで合わせ、ゴールネットを揺らす。
劇的な同点弾かと思われたが、直前のプレーでヒメネスが相手選手を押したためファールになり、ゴールは取り消しに。そのまま試合は終了し、アトレティコにとっては痛い敗戦、レバンテにしては降格圏から抜け出すための大きな勝ち点3となった。
相性の悪いレバンテ
実はアトレティコにとって、レバンテは決して相性が良い相手とは言えない。ここ5試合の成績は1勝2分2敗となっている。
さらにここ5試合といっても直近4試合は勝てておらず、実質2年間レバンテ相手に苦汁を嘗めさせられている。
20年1月5日 2-1
21年2月18日 1-1
21年2月21日 0-2
21年10月29日 2-2
22年2月17日 0-1
過去3試合の格下相手への金星献上
アトレティコ・マドリードはこれで21-22年ラ・リーガにおいて、格下相手に黒星を喫したのは4試合目となった。
※ここでいう格下とは10位以下の相手
第7節 対デポルティボ・アラベス
まず今シーズン初めての金星献上は第7節のデポルティボ・アラベス戦(アウェイ)。前半開始早々の4分にゴールを決められるとそのまま得点を奪えず、0-1での敗戦となった。
アトレティコのシュート数はアラベスのほぼ倍となる13だったが、枠内シュートはわずか1本だった。また、ボール支配率は71%と圧倒していたが、最終局面で決めきることができなかった。
第15節 対マジョルカ
二回目の金星献上は第15節のマジョルカ戦(ホーム)。ホームで何としても勝ち点3が欲しかったアトレティコだったが、後半アディショナルタイムに久保建英に決められまさかの黒星となった。オブラクが久保との1対1を止めきれず地面を叩きつけたシーンが印象に残っている人も多いだろう。
第18節 対グラナダ
三回目の金星献上は第18節のグラナダ戦(アウェイ)。こちらは開始2分、ジョアン・フェリックスのゴールで先制するも15分後に同点にされる。そして後半にも1点を追加され、逆転負けを喫した。この試合は15本のシュートを放つも、枠内はたったの3本。対するグラナダは6本中枠内シュートが4本と正確性が目立った。
勝ちきれない要因
アトレティコの21-22年は前年王者とは思えないほど不調だ。現在、順位こそ暫定で5位だが、首位争いには程遠い勝ち点差となっている(24節終了時点で首位レアルが54、2位セビージャが50。一方のアトレティコは39)。
敗戦が7試合と昨シーズンの負け数4をすでに超えている。要因は、強みであった守備の不安定さと枠内シュートの割合の少なさにあるだろう。
失点の多さ
リーグ戦に関していえば、優勝した昨シーズンは、1シーズンを通して25失点(リーグ最少)だったが、今シーズンは24試合の時点で34失点(リーグ13位タイ)を喫している。
さらに5年遡ると、19-20シーズンは27失点(3位)、18-19シーズンは29失点(2位、リーグ最少)、17-18シーズンは22失点(2位、リーグ最少)、16-17シーズンは27失点(3位、リーグ最少)、そして15-16シーズンに至っては18失点(3位、リーグ最少)である。今シーズンの失点数と比べると圧倒的に少ないことがわかる。
枠内シュートの割合
試合データをみてみると、攻撃面では枠内シュートの割合がある程度勝敗に関係しているように見受けられる。つまり、最後の一手の質が低いということだ。
今シーズン24試合終了時点での勝ち、負け、引き分けのそれぞれの枠内シュート率を確認していこう。
※リーグ戦のみ
勝ち試合
第1節 対セルタ(2-1)
合計13本、枠内5本、率.384
第2節 対エルチェ(1-0)
合計8本、枠内4本、率.500
第4節 対エスパニョール(2-1)
合計13本、枠内3本、率.230
第6節 対ヘタフェ(2-1)
合計12本、枠内4本、率.333
第8節 対バルセロナ(2-0)
合計6本、枠内3本、率.500
第11節 対ベティス(3-0)
合計18本、枠内9本、率.500
第13節 対オサスナ(1-0)
合計15本、枠内2本、率.133
第14節 対カディス(4-1)
合計17本、枠内7本、率.411
第19節 対ラージョ(2-0)
合計15本、枠内5本、率.333
第21節 対バレンシア(3-2)
合計16本、枠内6本、率.375
第23節 対ヘタフェ(4-3)
合計11本、枠内7本、率.636
引き分け試合
第3節 対ビジャレアル(2-2)
合計23本、枠内4本、率.173
※ビジャレアルは、全2本の内両方をものにしている
第5節 対アスレティック(0-0)
合計14本、枠内2本、率.142
第9節 対ソシエダ(2-2)
合計17本、枠内4本、率.235
第10節 対レバンテ(2-2)
合計7本、枠内3本、率.428
第12節 対バレンシア(3-3)
合計13本、枠内7本、率.538
第20節 対ビジャレアル(2-2)
合計7本、枠内5本、率.714
負け試合
第7節 対アラベス(0-1)
合計13本、枠内1本、率.076
※アラベスは、全7本の内の枠内1本をものにしている。
第15節 対マジョルカ(1-2)
合計14本、枠内6本、率.428
第16節 対レアル(0-2)
合計9本、枠内6本、率.667
第17節 対セビージャ(1-2)
合計15本、枠内3本、率.200
第18節 対グラナダ(1-2)
合計15本、枠内3本、率.200
第22節 対バルセロナ(2-4)
合計10本、枠内4本、率.400
第24節 対レバンテ(0-1)
合計10本、枠内1本、率.100
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