アーセナルFCは、会計上、パンデミックの影響に非常に悩まされている。コロナウィルスによるエミレーツ・スタジアムの閉鎖で大きな打撃を受けた同クラブは、2020年から2021年にかけて損失額が倍増した。具体的には、前年度は4780万ポンド(約73億2800万円)の赤字に対し、今年は1億730万ポンド(約164億5000万円)の赤字を計上したとのこと。売上高は16%減少し、3億4,000万ポンド(521億2600万円)となった。
アーセナルの会計年度は6月から5月までで、特にマッチデー収入の面が致命傷を受けている。スタジアムの閉鎖に伴い、アーセナルのチケット販売とマッチデー収入による売上は7870万ポンド(約120億6500万円)から、380万ポンド(約5億8200万円)まで減少した。
また、アーセナルの売上高に関しても、3億2820万ポンド(約503億1600万円)で5%減っており苦しめられている。しかし去年の欧州リーグで良い結果を残すことができたことによる放映権収入の増加とマッチデー収入によって部分的には相殺された。UEFAからの収入を含むテレビ関係の収入では、前年同期比40%増の1億8,440万ポンド(282億7000万ユーロ)だった。商業部門は1億3640万ポンド(約209億1100万円)の4%減を計上。これにはスポンサーシップと広告収入が該当する。
移籍によるキャピタルゲインは80%減の1400万ポンドに
マッチデー収入と並行して、アーセナルの収入減少における第二のキーポイントは移籍市場だ。こちらもパンデミックの影響により、移籍停滞が発生したため、選手売却により得られるキャピタルゲインが6010万ポンド(約92億1400万円)から1180万ポンド(約18億900万円)と、80%減少した。
そんな中でコスト面では上手く調整できている。アーセナルは支出を4%減らし、4億2740万ポンド(約654億9200万円)とした。ただ、選手の減価償却費は8%増の1億1740万ポンド(約179億8900万円)となっており、スタッフへの支出も4%増の2億4440万ポンド(約374億5000万円)まで伸びている。