日本を含む全世界のサッカー界には「ダービーマッチ」というものが存在する。そのクラブを応援しているファンであれば、より一層勝ちたい気持ちが強くなるため、盛り上がりも大きくなる。
このようなダービーはほとんどの場合がクラブの地理的な場所に由来するが、レアル・マドリードとバルセロナのように歴史に基づいたものもある。
さて、今回紹介するのはアルゼンチンリーグのダービーマッチ。アルゼンチンではリーベルプレート対ボカ・ジュニアーズの「スーペルクラシコ」をはじめ、各地でさまざまな熱いダービーが行われる。
それでは、アルゼンチンリーグの主なダービーマッチをみていこう。
目次
リーベルプレート対ボカ・ジュニアーズ(スーペルクラシコ)
リーベルプレート:84勝
ボカ・ジュニアーズ:91勝
引き分け:84
アルゼンチンで最も大きなダービーマッチである「スーペルクラシコ」。両方とも首都ブエノスアイレスに本拠地を置く強豪クラブだ。
リーベルのエル・モヌメンタルが比較的富裕層の多い地域にある一方で、ボカのボンボネーラが比較的貧困層の多い地域にあるという歴史的な一面も強いライバル関係に火をつけている。
2022年は3月と9月に対戦しているが、両方1-0でボカに軍配が上がっている。
インデペンディエンテ対ラシン・クラブ(クラシコ・デ・アベジャネーダ)
インディペンディエンテ:84勝
ラシン・クラブ:63勝
引き分け:67
次に紹介するのは、インデペンディエンテ対ラシン・クラブの「クラシコ・デ・アベジャネーダ」。両クラブともブエノスアイレス州のアベジャネーダに本拠地を構える。
アルゼンチンリーグでは、リーベルプレート、ボカ・ジュニアーズ、インデペンディエンテ、ラシン・クラブが4強とされているが、そのうちの2クラブだ。
どうしてもリーベルとボカの影に隠れてしまうが、熱狂的なファンが多い人気クラブである。
2022年は3月と7月に対戦し、2試合ともラシンが勝利している。
サンロレンソ対ウラカン
サンロレンソ:83勝
ウラカン:44勝
引き分け:46
サンロレンソとウラカンは首都ブエノスアイレスに本拠地を構える2クラブ。サンロレンソのボエド地区とウラカンのパルケ・パトリシオス地区は隣り合っており、地理的な面から強いライバル関係がある。
また、サンロレンソは「サイクロン」という意味のあだ名がついているが、ウラカンはスペイン語で「熱帯低気圧」の意味。チームの愛称からもライバル関係が読み取れる。
サンロレンソといえば、アルゼンチンの中でも特に熱狂的なファンがついており、応援の様子は圧倒的である。
2022年は3月と10月に対戦し、サンロレンソの1勝1分となっている。
ヒムナシア対エストゥディアンテス(クラシコ・プラテンセ)
エストゥディアンテス:64勝
ヒムナシア:47勝
引き分け:63
ブエノスアイレス州ラ・プラタを本拠地とするヒムナシアとエストゥディアンテス。
両チームとも特段強豪クラブというわけではないが、強いライバル関係を持っている。ヒムナシアといえば、マラドーナが亡くなる直前まで監督として率いていたクラブである。
2022年は3月と6月に対戦しており、2引き分けに終わっている。
ラヌース対バンフィエルド(クラシコ・デル・スール)
ラヌース:28勝
バンフィエルド:38勝
引き分け:29
ラヌースはブエノスアイレス州ラヌースに、バンフィエルドはブエノスアイレス州バンフィエルドに本拠地を構える。両都市は南北で隣接している。
2022年シーズンはラヌースが28チーム中26位に沈んでおり、2部に落ちるとなれば来シーズンはダービが見られなくなる(下位2チームが降格)。
2022年は3月と9月に対戦しており、1勝ずつ上げている。
ロサリオ・セントラル対ニューウェルズ・オールドボーイズ(クラシコ・ロサリーノ)
ロサリオ:53勝
ニューウェルズ:44勝
引き分け:78
アルゼンチン第3の都市ロサリオ(ブエノスアイレスからバスで4時間ほど)に本拠地を置くロサリオ・セントラルとニューウェルズ・オールドボーイズ。
その昔、地元(ロサリオ)のカラスコ病院がハンセン病(別名レプラ)撲滅のためのチャリティーマッチを開催するとなった際、ニューウェルズ・オールドボーイズはこの提案を受け入れたが、宿敵ロサリオ・セントラルは受け入れなかったという話が残っている。
ちなみにメッシはかつてニューウェルズ・オールドボーイズの下部組織に所属しており、代表でチームメイトのディマリアはロサリオ・セントラルでプレーしていた。
2022年は3月と7月に対戦しており、お互い1回ずつ1-0で勝利している。
コロン対ウニオン・サンタフェ(クラシコ・サンタフェシーノ)
コロン:13勝
ウニオン・サンタフェ:17勝
引き分け:28
アルゼンチン北東部の都市サンタフェを本拠地とするコロンとウニオン・サンタフェ。このダービーマッチは「クラシコ・サンタフェシーノ」と呼ばれる。
サンタフェはサンタフェ州の都市だが、先ほどのロサリオもサンタフェ州の都市であり、バスで2時間ほどの距離にある。
2022年は3月と6月に対戦しており、2引き分けに終わっている。
タジェレス・デ・コルドバ対ベルグラーノ(クラシコ・コルドベス)
タジェレス:11勝
ベルグラーノ:10勝
引き分け:18
アルゼンチン中央部の都市コルドバ(ブエノスアイレスからバスで8時間)を本拠地とするタジェレス・デ・コルドバとベルグラーノ。
コルドバの2大サッカークラブであり、コルドバ市出身の人はどちらかのファンになることが多い。
今回紹介してきたのは全て2022年に1部リーグで戦っているクラブだが、ベルグラーノは2部だった。しかし、2部リーグで優勝を飾り、来シーズンから1部リーグで戦うため、このリストに入れた。