今週ACミランはエリオットマネジメントファンドからレッドバードキャピタルに権限が渡った。このアメリカのファンドは、エリオット・マネジメント社(同じくアメリカの企業)との間で、ミランの買収について、クラブの価値を12億ユーロとする取引で合意したことを確認し、9月に最終決定をする。

エリオットは少数株主として引き続き株式を保有し、同クラブの取締役会の代表権を維持している。レッドバードキャピタルは「過去4年間にわたるエリオット体制での進歩を継続させる」と声明で述べている。

新オーナーの最優先事項は、ミランをサッカーの頂点に戻すこと。そのために、国際的なスポーツ・フランチャイズの経営と発展におけるレッドバードの経験を全面的に押し出し、クラブの将来を保証すると確信している。

新オーナーのゲリー・カルディナーレ氏は、ミランが「イタリアリーグの頂点にふさわしいポジションに戻り、ヨーロッパおよび世界での将来の目標を見据えている」と発言している。また、「レッドバードの投資哲学とスポーツ界における実績は、クラブがピッチ上で成功をおさめつつ、持続可能な財務内容も維持できる根拠となっている」と述べ、クラブの成長を確信している。

レッドバードキャピタルの事業と”クラブネットワーク”の構築


レッドバード・キャピタルは、欧州5大リーグのうち3つのリーグで事業を展開しており、サッカー界ではすでにその経験が生かされている。

プレミアリーグでは、リヴァプールとMLBのボストン・レッドソックスを所有するフェンウェイ・スポーツ・グループの株式の10%を購入し、リバプールFCの少数株主になっている。さらに、パンデミックの最中にトゥールーズFCを買収し、今シーズン、クラブをリーグ1に昇格させた。

また数日の新聞報道によると、レッドバードのプロジェクトは、シティ・フットボール・グループやレッドブルのようなスタイルのネットワークを形成することだという。

しかし、レッドブルグループのライプツィヒとザルツブルクのように同じ傘下の2チーム以上が同じ欧州主要大会に出場するのは禁止されている。詳しくはこちら