SportstechXの最新レポートによると、世界のスポーツテクノロジー業界では、昨年128億ドル(約1兆5150億円)の資金調達が見込まれているとのこと。米国での投資の大部分は、NFTなどのブロックチェーン技術による商品、ギャンブル、フィットネスの3大分野に集中している。
実際、2021年の第三四半期終了時点で83億ドル(約9824億円)の資金を調達したと言われており、昨年だけで過去3年間の合計よりも多い資金となっている。「世界各地のインキュベーター・プログラムに資金が参入し、加速する動きが活発化しています」と同レポートでは述べられている。
投資が行われる国
やはり、投資の大部分は依然として米国に集中しており、2021年9月時点で全体の45%を占める。インドとカナダはそれぞれ2位と3位にランクインしており、フランスは2024年のパリに向けて4位に上昇した。一方、中国は引き続きコロナウイルスの影響を受けており、5位に後退している。
なぜカナダが3位に入っているのか。その理由は、カナダでは、Dapper Labs(スポーツNFT)、OverActive Media(eスポーツ企業)のような大企業が出現し、株式市場にも踏み出しているからだ。
ブラジルも同様にGympass(B2Bフィットネス企業)の影響で8位に、香港はIOCのNFT契約を獲得したAnimoca Brands(モバイルゲーム会社)によって9位に上昇した。
NFTは、投資を促進する要因の一つとして確立されている。フランスでは、6億4050万ドル(約758億1342万円)の資金調達を行なったサッカーのファンタジーゲームSorareが業界を牽引しているが、Fanaticsに追いつくにはまだほど遠い。
資金調達企業ランキング
Fanaticsは、ファンエンゲージメントに繋がる商品を生産することにより、最も多くの資本を調達した企業となった。
直近の15億ドル(約1775億円)のラウンドの結果、Fanaticsの評価額は270億ドル(約3兆1960億円)となり、約1年前の180億ドル(約2兆1300億円)に比べて50%も高くなった。さらに、子会社のFanatics Trading Cardsが調達した3億5000万ドル(約414億2810万円)もその数字に加わることになる。
現時点では、Fanaticsが投資をリードしているが、2021年には少なくとも11の新しいスポーツテクノロジーのユニコーン企業が出現している。
中国のストリーミングプラットフォームDouyuTVが2番目に大きな資金調達企業となり、Bamtech Media(ディズニーのサービス)、Huya(中国のゲーム会社)、Dream11(インドのファンタジー・スポーツプラットフォーム)がそれに続く。
その他、Peloton(米国オンラインフィットネス企業)、Sorare、DraftKings(米国スポーツベッティング企業)、Zwift(ゲームを使ったランニングプログラム)、Keep(中国のモバイルフィットネスアプリ)がトップ10にランクイン。この数字は、2017年から2021年の間に調達された投資総額である。
フィットネステックは昨年、30億2680万ドル(約3582億7020万円)を調達しており、最も多くの投資家を集めたのは、家庭用フィットネスプラットフォームだった。