8月第二週に開幕したラ・リーガ22-23年シーズン。順当に勝利を収めたチームもあれば、セビージャのように格下相手に敗れるというまさかの展開を見せたチームもあった。ただまだ37節残っているため、全く問題はないだろう。
さて、今回注目するのは試合結果ではなくユニフォームのテクニカルスポンサー。サッカーでいうテクニカルスポンサーは、主にユニフォーム製作に携わっている企業を指す。アディダスやナイキなどがそれにあたる。
22-23年、テクニカルパートナーを変更したのは、1部リーグの3チームと2部リーグの5チームのみ。そのうち2チーム(セビージャとアルメリア)が英国の「カストーレ社」という新参企業となっている。
カストーレといえば、近年急成長を見せる英国のスポーツブランド。20-21年のスコットランドリーグの強豪レンジャーズとの契約を皮切りにサッカー界へ足を踏み入れた。
また、23-24年からはそこに現在ニューバランスをつけているアスレティック・ビルバオが加わる。同クラブは、マーチャンダイジングやライセンスビジネスで4番目に多くの収入を得ているため、ラ・リーガ内でも最大級の契約となっている。アスレティック・ビルバオへの入札は、カッパやアディダスといった他の企業を抑えてのことだった。
テクニカルスポンサーになるにあたって重要な要素
リーガ・エスパニョーラのクラブのテクニカルスポンサーになるための必要投資額は増加している。しかも、コロナウイルスの影響でスタジアムが閉鎖し、興行収入やマーチャンダイズ収入が大幅に減った中でだから尚更だ。
アディダスとナイキは、レアル・マドリードとバルセロナにそれぞれ年間5000万ユーロ以上を支払っており、これに売上で得た1億ユーロ以上を加える必要がある。またナイキは、アトレティコ・マドリードに950万ユーロを支払っているという。
これら以外のクラブについては、主に社会的な大衆を引きつけることができるかどうかで契約が動く。例えばヒュンメルは、投資を収益性に結びつけることに最も熱心な企業の一つで、レアル・ベティスに550万ユーロ出資している。
レアル・ベティスは現在重要な時期に来ている。というのも、21-22年のコパ・デル・レイ(国王杯)を制するという04-05年以来のタイトル獲得を成し遂げたのだ。
ファンの関心はチームの成績によって変動するが、テクニカルスポンサーのような契約においては、何よりも大きな存在となっている。ベティスは、会員数が6万人の壁を超えたが、この数字は、ほとんどのリーガ・エスパニョーラのクラブにとって並ぶことが難しい数字だという。
他には、カストーレがセビージャに400万ユーロ、プーマがバレンシアに400万ユーロを支払っているといった感じだが、いかにレアル・マドリードとバルセロナの2大巨頭が飛び抜けているかが分かるだろう。
スポンサー界の2大巨頭「アディダス」と「ナイキ」
スペインリーグの2大巨頭といえば、レアル・マドリードとバルセロナ。しかし、テクニカルスポンサー界でいえば、アディダスとナイキだ。
22-23年にスペイン1部リーグでプレーしている20クラブをみてみると、アディダスが4クラブ、ナイキが4クラブとなっている。
そしてそこに新たな刺客として参入しようとしているのがカストーレというわけだ。来シーズン、アスレティック・ビルバオ以外の変更はまだ発表されていないが、このまま行けば2番目に多くのクラブを抱える企業となる。
このように、サッカー界には試合結果やゴールシーン以外にも興味深い部分は数多く存在している。ALLSTARS CLUBではそのような内容の記事を投稿しているので、ぜひ併せてご覧いただきたい。