先日、ラ・リーガが22-23年のサラリーキャップを発表した。スペイン1部リーグ全体では、今夏以降のサラリーキャップが22億7720万ユーロに達し、1年前より34%増加した。
クラブ単位で最も改善したと言えるのはバルセロナ。昨シーズンは一時期、-1億4400万ユーロと記録的なサラリーキャップであったが、今シーズンは現時点で6億5643万ユーロと大きな改善を見せている。
これはバルサ・スタジオや放映権といった資産を売却したことが一番の要因となっている。
ちなみにバルセロナはスポーツ株式会社(SAD)ではなくソシオで成り立っている数少ないクラブであるため、増資という選択肢はない。キャピタルゲインや利益を増やすことが、サラリーキャップを回復させる唯一の方法であった。
バルセロナのサラリーキャップは2番目に多いが、1位はレアル・マドリード。3位以降はアトレティコ・マドリード(3億4104万ユーロ)、セビージャ(1億9986万ユーロ)、ビジャレアル(1億5121万ユーロ)と続く。ビジャレアルの額には今シーズンから2部リーグでプレーする「ビジャレアルB」の数字も加算されている。
ここ5年で大きくサラリーキャップが増えたクラブの一つに、久保建英が所属するレアル・ソシエダが挙げられる。今シーズンはイサクを移籍市場の閉鎖間際にニューカッスルへ7000万ユーロで売却できたことが大きな要因となった。
中位以下のクラブではあまり差は見られないが、注目すべきは20-21年からスペイン1部リーグでプレーするエルチェが、今シーズンの昇格組(アルメリア、バジャドリー、ジローナ)よりも少ないこと。1部リーグと2部リーグではスポンサー収入の違いなどもあって大きな差が出ることが多いが、エルチェは低水準となっている。