プレミアリーグ

2021-22シーズンは、プレミアリーグでVARが導入された3度目のシーズンとなった。試合の行方を左右するような重要な判定をより正確にジャッジするため導入されたVAR制度。しかし、導入から時間が経つにつれ、馴染みのあるものとなってきてはいるものの、まだまだ反対意見もあり、論争を引き起こし続けている。

そのVARについて、今回は21−22シーズンのプレミアリーグにおける、VARがレフェリーの判定を覆した際に有利に働いた回数と、不利に働いた回数を集計し、ランキングを紹介する。

※一度レフェリーが下した判定が覆された場合の数字のみを掲載しているため、レフェリーが一度下した判定を覆さなかった場合のVARは含まれていない。

※VARがレフェリーの判定を覆し有利に働いた場合を+1、不利に働いた場合を−1とカウントする。

結果は以下の通りとなった。

リバプール +4回

ウエストハム +4回

サウサンプトン +3回

アーセナル +3回

マンチェスター・シティ +3回

ブレントフォード +3回

ブライトン +2回

チェルシー +1回

トッテナム +1回

アストンビラ ±0回

クリスタルパレス ±0回

リーズ −1回

ニューカッスル −1回

ウルブス −2回

マンチェスター・ユナイテッド −2回

エバートン −3回

バーンリー −6回

レスター −6回

ノリッジ −6回

リーグ戦2位に終わったリバプールは+4。ユナイテッド相手に5−0の大勝を記録したオールドトラフォードでの試合ではCロナウドのゴールの取り消し、ポグバのファウルがイエローカードからレッドカードに変更されるなどした。

そのほかにもマンチェスター・シティ戦ではスターリングがゴールネットを揺らしたが、VARの結果、オフサイドの判定が下されるなどした。結果的にリバプールはVARによって、恩恵を受けることが多かったと言える。

リーグ優勝を果たしたシティは+3。前出のリバプール戦でのスターリングのゴールが取り消されるなど不利な判定に覆ることもあったが、シーズンを通して見るとVARが有利に働いたケースが3件多くなった。中でもマフレズは2度ノーゴール判定を受けたものの、VARの結果ゴールが認められた。

リーグを3位で終えたチェルシーは+1。リバプール戦でリース・ジェームスがVARの結果ハンドの判定を受け、レッドカードが提示された。そのほかにもウルブス戦やノリッジ戦、ウェストハム戦など多くの試合でVARにより判定が覆ったが、結果的に有利な判定を受けたケースが1つ上回った。

一方で、バーンリー、レスター、ノリッジは−6とVARにより不利な判定に覆るケースが多く見られた。

最後に、もし21-22年のプレミアリーグにVARが存在しなかったらどうなっていたのかを下の図でご覧いただこう。

なんとマンチェスター・ユナイテッドは、2位順位を落とし、ヨーロッパリーグどころかカンファレンスリーグにすら出場できない状態だった。また、リーズもVARがなければ降格していたことになる。両チームとも大きくVARに助けられた。

逆にいえば、ヨーロッパリーグ出場を逃したレスターや降格することになったバーンリーは、VARによって順位を上げることができなかった。