FIFA

2022年11月21日にカタールで開幕する2022FIFAワールドカップ 。

22回目となる今回のW杯は中東で初めて開催され、アジアでは2002年の日韓W杯以来2度目の開催となる。

従来のW杯は6月から7月にかけて大会が行われるが、灼熱のカタールでの開催ということで秋冬開催となった。

これまでとは異なり欧州のトップリーグのシーズン真っ只中に行われる今回のW杯だが従来のW杯とどのような点で異なるのだろうか。

■準備期間

通常ワールドカップが開催される年は、シーズン終了後の短い休みの後、選手たちはトレーニングキャンプに参加する。数週間トレーニングキャンプは続き、本番までに強化試合が3、4試合行われる。

しかし、カタールワールドカップは11月〜12月に行われるが、この時期は欧州の主要リーグを中心にシーズン中。リーグ戦への影響を最小限にするため、FIFAはクラブがワールドカップに招集された選手を11月14日まで、つまり11月21日の開幕戦のわずか1週間前まで派遣する義務がないことを決定した。

本番直前は親善試合を行う時間がほとんどないため、9月の代表ウィークが親善試合を行う最後のチャンスとなる可能性がある。

■移動距離による負担

ヨーロッパ各地から飛行機で7〜8時間、日本から11〜12時間、南米からは15時間近くかかる。さらに、クラブでの最後の試合からW杯の最初の試合までが短いため、移動の負担はさらに大きくなる。

しかし、時差ボケから回復し、環境に慣れれば、国内での移動は楽なものになる可能性がある。使用される8つのスタジアムは、すべて首都から半径50km圏内に位置している。

これはロシアとブラジルで開催された直近2回のW杯と大きく異なる点だ。これらの大会では会場が何千キロも離れているところもあった上、時差も問題だった。

BestSoccerStoreによると、現に2014年ブラジルW杯でのアメリカ代表はグループステージだけで約15,000kmを移動し、決勝トーナメントでわずか1,600kmしか移動しなかったベルギーに延長戦の末に敗れた。

また、ブラジルワールドカップで、優勝したドイツはブラジルに独自のトレーニング施設を設置し、移動距離を減らすことに専念。これにより、グループステージでの移動距離わずか約2,000kmに抑えられ、これが要因とは限らないが南米の地で優勝した最初のヨーロッパのチームとなった。

■交代枠・登録枠の変更

これまでのW杯では3人までの選手交代が認められていたが、今大会はコロナウイルスの流行以降主流となっている5人までの交代となっている。また、選手の登録枠も23人から26人に変更された。

選手たちにとっては負担が軽減される変更となったのではないだろうか。