現在セリエA3位のSSCナポリは、スタジアムへの入場制限などにより売上高が17%減少し、2020-2021年末に5890万ユーロ(約77億円)の赤字を記録した。

カルチョ・エ・フィナンツァ紙によると、クラブの総収入は2億2810万ユーロ(約298億2300万円)に減少したという。一番大きな要因は、コロナウイルスによるディエゴ・アルマンド・マラドーナ・スタジアム(本拠地)の閉鎖で、チケッティングなどの収入が1320万ユーロ(約17億2600万円)からわずか3万9000ユーロ(約509万9100円)になったことだ。また、移籍市場の停滞により、キャピタルゲインは4880万ユーロ(約63億8000万円)と、前年度より49%も少なくなった。スタジアム閉鎖と移籍市場停滞という2つの項目だけで、クラブは6020万ユーロ(約78億7100万円)の損失を出している。

一方、商業分野の売上高は前年同期比23%増の3860万ユーロ(約50億4700万円)となった。しかし、スポンサーはコロナウイルス発生以前のシーズン(2018-2019年)と比べても6%減少している。今シーズンは、ユニフォームの袖部分にアマゾンのロゴを付け、テクニカルパートナーはイタリアのブランド、エンポリオ・アルマーニが引き継いだ。

もう一つ伸びた項目は放映権だ。放映収入は、2019-2020年に行われた試合の収益の一部を2020-2021年に振り替えたことにより、2%増の1億2360万ユーロ(約161億6000万円)となった。このうち81%がセリエAからの収入で、ヨーロッパリーグ出場による収入は1780万ユーロ(約23億2700万円)であった。

支出に関しては、選手やコーチ陣の給料が前年同期比20%増の1億3470ユーロ(約176億1200万円)となった。また、減価償却費はほぼ6%減となる11億1400万ユーロ(約1456億5200万円)であった。